職場環境を整備し社員が働きやすくする

職場で働く社員の人たちに職場環境について聞くと、事務所が駅から遠く不便であるとか、

事務所内にコピー機が1台しかなく、自分の席から離れていて、コピーを取るのが面倒である、といった内容の回答が多く聞かれます。

この人たちの場合、物理的な尺度で判断しており、便利さが基準のようです。

 

また、その昔、オフィス内でたばこを吸うことができた時代には、たばこを吸わない人から職場環境の改善として、

机でたばこを吸わないようにしてもらいたいと要望してきたこともありました。

 

その後、喫煙コーナーや喫煙室を作り、分煙を図ることもありました。

最近では、室内での禁煙も禁止され、喫煙者は事務所の外でたばこを吸うようになり、

たばこを吸わない人にとっては、だいぶ環境が改善されたようです。

 

会社が行うものと社員の自主性によるもの

ただ、会社としても、職場環境を改善するとしても、廉価なものについては、すぐに取り掛かることができますが、

費用がかかるものについては、それなりに検討するため、時間がかかります。

 

一方で社員の側についても、自らそれなりの工夫をすることで、不便さは軽減されるでしょう。

 

たとえば、先ほどのコピー機の例でいえば、コピー機が自分の机から離れているということについて、

ある程度コピーを取る書類がまとまった段階で、コピーを取れば、1回で済みます。

 

また、本当にコピーする必要があるかどうか判断の上、コピーしても遅くはないでしょう。

こうすることで、コピー機のところに行き来する時間の削減にもなります。

 

職場環境はそのような「便利さ」やたばこの煙のない「きれいな空気」も必要です。

 

雰囲気としての職場環境

しかし、職場環境は、物理的な環境だけを指しているのではではありません。

 

最近では、働きやすい環境として、精神的に落ち着いて仕事をすることができるような雰囲気を求めるようになってきます。

 

怒鳴り声が飛び交う、殺伐とした雰囲気では、いい仕事ができません。

更に、仕事に忙殺され、日常業務をこなすだけでも、残業になってしまい、疲れ果ててしまうという環境でも、良い仕事はできません。

 

このように、職場環境の改善として、雰囲気的なものなど、内面に及ぼすものも求められるようになってきております。

特に若い社員についは、はなおさら強調するところです。

 

しかし、会社としてできることは、限られております。

物理的な環境整備は時間や費用をかけてなんとかできるでしょう。

 

事務所が駅から遠く、通勤に就かれるのであれば、別のところに移転する方法もあるでしょう。

また、コピー機が足りないのであれば、増設することで環境を改善できます。

 

しかし、殺伐とした雰囲気や過剰労働などは、その部署の中の問題となります。

つまり、管理職を含めた構成メンバーに起因する問題となります。

 

もちろん、こうした問題は会社が積極的に関与することで、軽減することはできるでしょう。

しかし、一時的に緩和されても、時間と共に、元に戻ってしまいます。

 

部署内の問題となると、管理職の手腕が問われるようになるのです。

 

管理職の努力による職場の雰囲気の改善

人は緊張状態が続く状況では、なかなか能力を発揮することはできません。

管理職の中には、力で部下を押さえつけようとする人がおります。

 

部下の人たちは近況状態を強いられる中で、能力の半分も発揮することはできないでしょう。

 

さらに、そのような状況を作っておいて、部下は能力がないといって、低く評価する管理職の人がおります。

そのような人は、逆に部下から反感を買ってしまい、さらに環境は悪化します。

 

管理職に対する研修で、実際に研修に参加したある管理職の実例を、少しストーリーを変え、他の会社の事例として紹介してみます。

 

そうしますと、その管理職は、このような人は管理職失格であるといい、自分ならこのようなことをしないなどと述べます。

 

その管理職は、実際にその研修会で出たような話のようなことをしておきながら、自覚がないのです。

 

つまり、管理職の人は、自分自身の行為をわかってない上に、部下にどのような影響をもたらすのか、全然気づいていないのです。

 

このような人は、むしろ例外で、管理職に登用すべきでないのかもしれません。

しかし、中小企業では、人手が足りません。それなりに実績のある社員を、管理職として登用してしまうことは、実際にはよくある話です。

しかし、そのような上司の下で働く社員はたまりません。

 

会社は、そのような管理職に対して、自分で自分自身を客観的に見ることができる環境をつくる必要があります。

そして、その管理職が自ら気づくように仕向けるのです。

 

そうすることで、管理職が自らの言動に対する部署内の影響を感じ取り、負の影響が少なくなります。

そして、次第に職場環境が改善していくでしょう。

 

このように、会社は管理職に対するプレッシャーを軽減したり、時間的余裕を与えたりすることで、管理職に対する環境を改善することはできます。

それを受けて、管理職が自部署の環境改善に、取り組むことができるようになるのです。

 

管理職の教育については、弊社ブログ『組織が機能するための管理職の教育』をご参照ください。

 

まとめ

職場環境というと、かつては物理的な環境を意図しておりましたが、近年では、雰囲気など社員の内面に及ぶような環境を意味するように変化してきました。

パワハラなどもその理由かもしれません。

会社としては、部署を管理する管理職に職場環境の改善をしてもらうことになり、そのためのサポートが会社の仕事になります。

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