個人事業主のように一人で働く場合は別ですが、二人以上で働くと、それぞれ役割を分担して、行う業務を決めて仕事を行います。
人数や仕事量に応じてそれぞれに仕事の区分や役割を決めますが、人数が少ない場合、比較的おおざっぱな感じで決めることが多いようです。
人数が多くなればなるほど、その役割が細分化されていきます。
そして、その役割に応じて業務を区分すると、それが部署になります。つまり組織化されていくのです。
会社の規模と組織
会社の中の人数が増えれば増えるほど社員一人ひとりの役割は狭まってきます。
その分奥が深くなります。
極端な場合、隣の机で仕事をしている人の仕事の内容がわからない、という現象も生じてしまうほどです。
そこまで組織が大きくなると、なかなか一体感が出てきません。
規模の大きな企業ほど、会社は組織で動くという言い方がなされております。
しかし、実際には社員一人ひとりが、自分の役割を理解して進めないと、その組織は正しい方向に進むことができません。
また、社員の中に勝手な動き方をする人がいると、その部署の業務に不具合が生じてしまうこともあります。
会社の規模が安定している会社と急成長している会社の組織
しかし、こうしたことは大きな企業だけでなく、様々な企業で課題とされているところです。
社員数も常時一定の規模で、組織も固定しているような安定した企業では、
それぞれの部署における役割や業務が決まっていて、スムーズに業務が行われております。
ところが、急成長している企業では、社員数も会社の成長の跡を追うように一気に増えていきます。
社員の増加に伴い、組織も急拡大し、その過程で社員の人たちの業務も細分化されていきます。
それでも中で働く社員の人たちは、感覚的にはまだ少人数の規模のままなのです。
急成長した会社の組織構成
事業規模が大きくなるにつれて、一つの部署を二つに分けるということもあります。
担当する業務や社員も分割することになりますので、そうした場合、細かいところまである程度事前に決めておく必要があります。
そうしないと、業務上の問題が生じたり、新たに業務が発生したりしても、誰もそれに対して対応しなかったりします。
また、気が弱くて何でも引き受けてしまいそうな人にそれらを押し付けたりしてしまい、正しい業務分担ができないことになってしまうのです。
小さな問題であれば、すぐに解決するでしょうけれど、取引先に迷惑がかかるような大きな問題であれば、信用にもかかわってきます。
大きな会社全体の問題になってしまうこともありえるのです。
このように急成長している中小企業の場合、営業部門だけでなく、内部体制も一緒に整えていかなければなりません。
しかしながら、急成長している企業では、各部署で社員一人ひとりが忙しく働いており、これ以上仕事が増えてほしくないと思っております。
そして、仕事が増えることに対し、社員の人たちは後ろ向きになってしまいますので、適切な対応が求められるところです。
しかも、業務が細分化され、その後新しい仕事が生じると、社員の中には、「これは自分の仕事ではない」と、自ら仕事を仕分けしてしまう人がいます。
これ以上仕事を増やしたくないのでしょうか。
あるいは自分が興味を示さないのでしょうか。仕事のえり好みをされたのでは、会社はたまりませんね。
経営者としては、今後とも会社を成長させ、組織が機能するようにしていかなければなりません。
そのためには、まず、社員一人ひとりが自分の役割を理解し、その上で日常の業務を遂行できるようにすることが大切です。
もちろん会社側としても、適切に増員を図ったり、社員が働く環境を整えたりなど、必要な措置をとることもしなければなりません。
急成長する会社において、組織が機能していくようにするためには、社員に適切に会社の情報を提供していくことが大切です。
そして、末端の社員まで必要な情報が直ちに伝わるような仕組みづくりが必要となるのです。
一方で成績のよい社員が退職するのを防ぐことも大切です。
せっかく機能する組織を作っても、片っ端から社員が退職したのでは、継続した成長を望むことはできません。
(社員の退職防止については、「退職防止」ページご参照ください。)
社員のベクトルが正しい方向に向き、会社が継続して成長していくためには、様々な人事的な仕組みを構築することも必要です。
例えば、評価制度を作り、管理職が正しく部下を評価するとともに、部下を育成できるような仕組みを作る、といったようなことが挙げられます。
(社員の評価については、弊社ブログ『人事考課制度を自社に合わせ組織力を向上させる』をご参照ください。)
管理職が自分の職責を理解し、業務を全うすることで、組織が機能するようになるのです。
また、業務が標準化されることで、退職や人事異動などで、
担当者が変更となることがあっても、業務がスムーズに行われ、支障をきたすようなことはなくなります。
それぞれの部署が行う業務を明らかにし、業務をマニュアル化することで、組織が動きやすくなります。
従来の方針や手法を変えようとした場合でも、実施しやすくなるのです。
まとめ
急成長した会社は、大企業と異なり、まだ組織で動くという形はとれておりません。
社員の頭の中は、急成長する前の小企業のままなのです。
組織が機能するようにしていくためには、社員の意識を変え、個人ではなく、組織で活動するようにしていくことが大切です。
そのためには、研修を実施した、人事的な仕組みを作り上げることです。