日々忙しく仕事をしていると、目の前の仕事に集中するあまり、周りのことに気が付かなくなることがあります。
忙しさのあまり、余分なことに関わらないようにしようとするのです。できるだけ外の世界をシャットアウトし、業務に専念するのです。
それが短期間であればいいのですが、長期にわたってしまうと、習慣になってしまいます。
忙しくなくても、他の事に関心をもたず、目の前のことだけに集中してしまうようになると、それはそれで問題です。
業務多忙による弊害
何が問題かというと、世の中は常に動いており、内側だけでなく、外に目が向いていないと、部署あるいは会社としての好機を逃すことになってしまうからです。
せっかく自分たちにとっていい方向にその中が動き始めてきていても、それに気づかず、後になって後悔しても遅いのです。
きわめて当然の話ですが、意外にこうした事例は多いのかもしれません。
しかし、こうしたことは、やむを得ない部分もあります。特に中小企業では、一人ひとりの業務が多岐にわたっています。
そのため、常に目の前の仕事に集中することで、業務がはかどります。日常業務が大量に押し寄せてきて、大変な時期になってきても、なんとか対処できたと感じます。
担当者もそうしたことに満足し、所属長も仕事をしていると感じます。
そして、その組織がうまく回っているように上司も部下も感じるのです。
ところが、先ほど述べたように、世の中は日々変化しているのです。
組織に何かが生じ、問題点を把握できた時点で対応しても既に遅くなってしまった、ということもあります。
このような事例がありそうな部署あるいは部門は、マーケティング、営業や危機管理担当部門など思いつくだけでもさまざまな名称が出てきます。
特に危機管理はいつ何時何が起こるかわかりません。
人事部門における業務多忙の弊害
もちろん、こうしたことは、先に述べた部署以外にも人事部にも言えるのです。
むしろ人事部門のほうが、業務が多岐にわたっているということもあり、目の前の仕事だけで精一杯かもしれません。
特に人事部門の業務は会社業績に左右される業務もあります。
採用や研修などは影響を受けやすい業務でもあります。
業績が悪くなると、採用費が減額されてしまうことがよくあります。(業務の効率化については、弊社ブログ『採用や教育のコストを長期的に削減する』をご参照ください。)
とはいえ、そのままにしておくと、会社の将来にも影響を及ぼしてきます。
人事部門(会社によって、総務部が人事業務を行うこともあります)は、業務自体が会社全体に関わってきます。
それ故、会社として、何かしらの変革を行おうとした場合、人事部門が中心となり、その変革を行うためのサポートをします。
それが、目の前の仕事だけで精一杯では、会社としてやりたいことができず、先に進めることはできません。
それには、やはり、人事部門の業務を安定化させて、社員一人ひとりの役割をはっきりさせることが必要です。
そのためには、人事部門内部の業務を分析し、効率化するために、外注化できるものと内製化すべきものを区分します。
そして、人によって余力が生じるようになります。
その人に新たな業務を与え、会社として実施すべき会社全体に関わる業務を中心に行うようにします。
(業務の効率化については、弊社ブログ『業務の効率化を図り社内体制を強化する』をご参照ください。)
人事部門の今後を見据えた業務
もちろん一人ではできません。部門長と一緒に進めることが大切です。
時間をかけて将来会社にとって必要な仕組みを考えたり、外部のリソースを利用して課題に取り組んだりなど、違う観点から社内を見直します。
まったく異なる業務を行うことに、不安や心配があると思われますが、そこは、部門長が相談を受けたり、指示を出したりしながら、安心感を与えて業務を進めます。
いずれにしても、頻繁に会議を開くなどして、十分なコミュニケーションが必要となるでしょう。
また、会社として、従来とは異なる新しい方針を立てることもあると思います。
特にいままで中途半端だった社員が感じる価値観を統一し、一定の方向性を保とうと方針を立てることもあるでしょう。
しかし、方針を立てたが、なかなか社員に浸透しないということもあります。現場の人たちは会社の方針に関心を示さない人も多くいると思います。
そういう人たちに新しい方針を社内に浸透させるため、それを推し進める業務も生じます。
そうした業務に対しても、その人が中心となって推し進めていくのです。
日々忙しくしている人にはこうしたことはできません。人員に余裕をもって進めていきたいところです。
このように、時代の流れやそれに伴う会社が進むべき方向性に対して、社員が進むことができるよう計画し、実践していくことで、組織が更に強化されていきます。
まとめ
仕事で忙しくなると、周りが見えなくなります。
特に人事部門はそうしたことを避け、世の中の変化に対応できるように、新しい業務を作ります。
そのために業務を見直し、適切な業務量にすることが大切です。そうすることで、新しい仕事を任命し、会社全体に関わる仕事をしてもらいます。