多くの会社で、従来から利用してきた人事考課を、そのまま継続して使っていると思います。
人事考課はそれなりに機能してきましたし、長い間利用してきましたので、評価する側も評価される側も理解しています。
人事考課制度を構築する上で、注意すべきことは、
考課要素およびその要素に対するウェートは、職位別に分けて決定していきますが、どの職位にどのような考課要素を使用するについて、決めることです。
人事考課を実施する際の評価者の特徴
人数の多い企業ですと、同じ職種や同じ職位の人たちが大勢おりますので、考課要素一つひとつを具体化していくことができます。
つまり同じ尺度で測ることができるのです。
しかし人数の少ない企業ですと、そういうこともできず、異なる職種でも同じ尺度で測らざるをえません。
どうしてもある程度抽象的にならざるをえないのです。
そうしますと、どうしても評価する人によって、多少差が生じてしまうことになります。
そこに非評価者の不公平感がでてくるのです。
これは、ある程度やむを得ないと思います。
慣れている評価者は意識的に客観的に判断して評価しようとしますので、その差自体は、さほど大きくなることはありません。
もちろん、個人によって異なるとは思います。
ただし、一般職から管理者に昇進したばかりの社員の場合、評価に慣れておらず、どうしても主観的になってしまいがちです。
そのような点でも評価者訓練は必要です。
それでも管理者が部下の評価に慣れるまである程度の時間は要します。
評価者訓練
人数の少ない会社において、人数の多い会社のように新任管理者を一斉に集めて評価者訓練を実施するようなことはかなり難しいでしょう。
しかし、人事考課を効果的なものにするためにも、たとえ一人でも新たに管理者に登用されたのであれば、会社として該当者に対する評価の訓練は必要です。
それには、あらかじめ評価者訓練のためのプログラムをつくっておき、評価者訓練の担当者が、対象者が一人であっても訓練できるものをつくることです。
その内容としては、社内の被評価者の対象となる社員で、どこかの部署の一般社員を実例として取り上げ、ケーススタディとします。
そしてその社員の例を取り上げ、評価の仕方を学ぶようにします。
このように、管理者および新たに管理者になる人には同じアプローチでの評価の仕方を学んでもらいます。
そうすることで、できるだけ公平な評価に近づけることができます。
もちろん一足飛びというわけにはいきませんが、地道に時間をかけて努力することにより、期待した方向に進むことができるようになるわけです。
中途採用の管理者に対する評価者研修
また、人数の少ない会社は、中途採用が中心ですので、管理者も中途で採用するケースもあると思います。
そのような場合には、会社の評価の仕方について、入社時に上記の方法で詳しく説明しておくことが大切です。
そして、評価の時期になったら、再度詳しく上記の方法について説明することにより、社歴が浅くても他の管理者と同様の評価に対するアプローチができます。
やはり社員に安心感を持たせることで制度がうまく機能しますので、一つ一つ着実に実施し、社員の士気を高めるのです。
そうすることで、社員の意識を同じ方向に向かわせることができます。
このように人事考課制度あるいは目標管理制度を含めた人事諸制度を構築し、社員の意識を高め、会社を少しずつ前へ進めます。
そして、会社が定めた目標を達成することができるようになります。
評価については、弊社ホームページ『評価制度』のページをご参照ください。
まとめ
評価者に対する研修は必ず実施する必要があります。
中小企業の場合、管理者も中途採用なので、事前にプログラムを作り、管理者が共通の認識で評価できるようにすることが大切です。