社員の能力を最大化させる経営理念の浸透

会社は継続的に成長させるため、長期および年度ごとの方針や計画を立て、それに基づいて事業を運営しています。

そして、その方針や計画を各部門に伝え、各部門では自部門が行うべき方針を決定し、目的を達成するために業務を遂行します。

 

その長期および単年度の事業計画を社員は達成しようと努力しますが、その根底には経営理念があります。

もちろんそれだけではありませんが、会社の存在意義や運営していく目的としての理念があり、それに向かって社員は努力するのです。

 

社員の人たちの日々の仕事

ところで、私たちが普段働くときは何を考えて働くでしょうか。

山ほど仕事があり、常に忙しく、企業理念や会社の方針などを考える余裕などありません。

ただ、目の前にある仕事をこなすことで精いっぱいではないでしょうか。

 

営業の人たちであれば、今月の予算を達成できるかどうか、あるいは、今週取引先から契約を獲得できるかどうか、といったことを考えるでしょう。

 

また、管理部門の人たちであれば、締め切りまでに今取り掛かっている仕事が完成できるかどうかなどと考えるかもしれません。

 

社員の人たちは、それぞれやるべきことがたくさんあり、頭がそれらでいっぱいで、他の事まで手が回りません。

 

おそらく規模の大小にかかわらず、会社で働く人たちは、そのような感じで働いているのではないでしょうか。

 

社員の人たちの仕事に対する考え方

現実的に考えた場合、社員は日々の仕事で手一杯であり、他のことを考える余裕がなく、これ以上仕事を増やしたくない、と思うのが一般的でしょう。

 

しかも、社員の感性にゆだねると、社員の思いがバラバラになり、社長の思いから更に離れてしまいかねません。

 

社員は、会社から給与を受け取り、その給与で生活をしているので、

生活の手段として、会社が存在するように思われがちですが、ただそれだけではありません。

 

もちろん生活も大切ですが、ただ会社から給与を受け取るためだけに働いているのではないのです。

仕事を早く覚え、将来独立したいとか、会社で頭角を現し上位の職位に就きたいなどと、

それぞれが大きな目標を持ち、働いている人たちもそれなりにおります。

 

もちろん、何も考えず、漠然と働く人たちもおります。やはり、楽な方を選ぶのでしょう。

 

しかし目標をもって働いている人たちは、その大きな目的に向かって前進することで大きな力を発揮します。

 

社員の人たちに会社の考えを浸透させる

目標を持っている人達だけでなく、漠然と働いている人達も含めて、どのように会社が考える方向に導けばいいのでしょうか。

 

経営理念は、会社の壁に貼っていても、忘れられた存在になっていますが、あらゆる社員にとっても大切なものなのです。

 

中途採用が中心の中小企業にあっては、社員それぞれがかつて勤めた企業で教わったことを基に業務を行うことがほとんどです。

 

また勤めていた会社で、経営理念を教わっても覚えていなかったり、あるいは教わったことさえなかったりする人も多くおります。

 

したがって、経営理念を説明されても、自分のこととして捉えるというよりも、会社の上のほうで何かやっていて、自分には関係ないと思う人も多いのです。

 

経営理念を書いた冊子を印刷し、社員に配って基本的なところを理解してもらうということも一つの方法です。

 

会社は、自社の理念や方針を確実に全社員に伝え、共有してもらうため、いろいろな方策を講じているのです。

 

特にグローバルに展開している企業では、国籍が違っても、同じ会社で働いているという気持ちを持ってもらうことと、経営理念を共有しているという気持ちを持ってもらうということを大切にしています。

 

このようなところにコストをかけるわけで、いかにコミュニケーションが大切であるかということが言えるかと思います。

そして人事を担当する人がその業務を担うのです。

 

現実的にはそのような冊子を配っても読まない人もいますし、机の引き出しに入れてそのままにしてしまう人もおり、なかなか浸透しません。

 

コミュニケーションと人事部門の仕事

そうしたことを打開するには、やはり人事部門の人の役割が重要になってきます。

定期的に研修を行ったり、階層別に勉強会を行ったりして、自分自身だけでなく、チーム内にも浸透させるようにします。

 

研修や勉強会を行うとしても、中小企業においては社員の皆さんは研修に参加する時間もないでしょう。また社内でどのようにしたらよいかもわからないことと思います。

 

もちろん外部の専門家に依頼するのが手っ取り早いのですが、専門家を探すだけでも時間がかかってしまいます。

 

そのような場合、自分たちで、手作りで進めることになります。

最初はうまくいかないケースの方が多いかと思います。はじめから成果を期待するよりも、社員の人たちへの意識付けが大切です。

会社として真剣に行っていると社員が思うという意識の変化が大切です。

 

また、研修等に時間が取れないというケースも多いかと思います。

これについては、できるだけ早くスケジュール化し、社員に早く周知させることで、社員も自身のスケールを立てやすくなります。

 

このように、地道に活動し、少しずつ会社の理念を社員に理解してもらい、社員の力を合わせ、強い組織を作っていくのです。

 

社員のベクトル合わせについて、弊社ブログ『中小企業が会社目標と社員のベクトルを合わせる』をご参照ください。

 

まとめ

中小企業では、中途採用中心なので、経営理念を浸透させることは、大変で、それなりに難しい業務でもあります。

人事部門が先頭に立って、社員とのコミュニケーションを図るように進めます。

時間はかかりますが、少しずつ浸透していきます。

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