社員の人たちは、日々忙しく仕事をしていると思いますが、日々の業務が上司から指示されており、それに従って仕事をしています。
何も問題が生じることがなく、とんとん拍子に仕事が進んでいる間はよいのですが、何か問題が生じると業務が滞ります。
きわめて当たり前の話ですが、問題なのは、そこで業務が止まってしまうことです。
業務中の問題が生じた場合の対応
つまり、上司に相談したあとは、その上司にその問題をまかせてしまい、問題そのものを投げてしまうのです。
ただし、この場合のように問題が生じた時点で、上司に相談するだけまだましなのかもしれません。
問題になるのは、その問題が生じてもそのまま放置しているケースなのです。
このようなケースは意外に多いのではないでしょうか。
普段仕事をしていて、問題が生じると、立ち止まるのはよいのですが、そのまま思考も停止してしまうことが問題なのです。
ということは、仕事を機械的に処理しているだけ、ということになります。
また、ひとつの仕事が終わると、次に上司から仕事の指示があるまで待機し、
探せば仕事があるにもかかわらず、その仕事をしようとしないということも問題です。
つまり、指示を待っているだけなのです。
業務に対する受け身の姿勢
会社としては、能動的に行動し、自分で調べたり、確認したりしながら仕事をしてほしいと思います。
しかし、どうしても仕事をしようとする意識が受け身になってしまいます。俗にいう指示待ち族です。
結構このようなタイプの人は多いのではないでしょうか。
多かれ少なかれ。このようなタイプの人はどこの組織にもいるのではないでしょうか。
受け身の社員が多いと、与えられたことは行いますが、それ以上のことはしません。
他にやろうと思えばやれる仕事があるのですが、なにしろ受け身ですから、指示があるまでは何もしません。
このように指示待ち族は一定割合でどこの会社でもいます。
中小企業の場合、社員一人が受け持つ業務の幅が広いので、
受け身的な社員が多いと、その部署の業務は動かなくなってしまいます。
中小企業の場合、何か新しいことをしようとすると、まだまだ組織が機能的でないので、どうしてもトップダウンで動くようになってしまいます。
これが良いのか悪いのかは別にして、組織的にそのようになってしまいがちです。
また、社員の立場からすると、受け身のほうが、自分で考える必要もないので、その方が楽なのです。
中小企業の指揮命令系統
どちらかというと、中小企業のように、社員数の少ない会社の場合、指示を出すのもトップダウンになりがちです。
社長が直接末端の社員に指示を出すこともあります。
これにはやむを得ない事情があります。
会社全体の業務を知っているのが社長なので、どうしても社長自らが業務の指揮をとり、指示することになります。
ただし、規模の大きな会社においても、大きな意思決定をする場合は、トップダウンで行うことが多くあります。
直接社長の言葉で社員に話すことにより、士気を高めるのです。
しかし、中小企業とはいえ、小さなことに対する意思決定などについて、いつまでもトップダウンを続けるわけにはいきません。
社長には社長としての本来業務があるわけで、いつまでも管理職がすべき仕事をしては、会社は先に進めません。
何かしようとした場合、トップダウンでなく、通常の指揮命令系統で仕事が進められるようにすべきだと思いますが、
そうするためにはどうしたらよいでしょうか。
それは、社員一人ひとりの力量を大きくすることです。
一般的に、そうするためには、研修を行い、社員の能力を高めることで対応できます。
もちろん、それだけでは不十分です。
しかも中小企業においては、研修に時間も取れませんし、費用を当てることもできません。
中小企業における社員の育成
では中小企業はどのような方法を取ればいいのでしょうか。
会社にもよりますので、一概にはいえませんが、できそうなこととしては、
- 業務のマニュアル化
- 社員の質の向上
- 業務全体の理解
- 会社の方針や理念の理解
といったところでしょうか。
限られたリソースであっても、やり方次第でうまくいきます。
日常業務の中にそうしたことを組み込み、社員の理解を深めていきます。
工夫次第ということになります。そして、それが社員の意識改革につながり、長期的には社員のベクトル合わせに導かれるのです。
社員のベクトルを合わせることについて、弊社ブログ『中小企業が会社目標と社員のベクトルを合わせる』をご参照ください。
このようなことを実施し継続していくことで、常に社長自らが社員に指示を出さなくても、部署ごとに自ら行うべきことが理解でき、業務がスムーズに進むようになります。
そして、組織が機能し始めて、それぞれの部署での問題点や提案等が上がり、ボトムアップで仕事が行われるようになるのです。
まとめ
社員は仕事に対して、受け身的になりがちです。中小企業の場合、トップダウンで仕事を進めますが、次第に社員が自ら行動するよう変えていかなければなりません。
研修等が難しいのであれば、日常業務の中に様々は仕組みを組入れ、実行することで、少しずつ改善されます。