出勤管理については、従来から様々な企業で、フレックスタイムを導入するなど、柔軟な対応をしてきました。
社員の自主的な活動や活性化を図り、業務の効率化に努めるためです。
もちろん、多様な働き方を実践することで、社員の健康面にも配慮する目的もあります。
そうすることで、以前ほど遅刻などを気にせず出勤できるようになりました。
定時出勤から柔軟な出退勤への変遷
かつては、例えば午前9時が出社時間だとすると、9時までに出社し、タイムカードを打刻しなければなりませんでした。
もちろん今もそのようにしている会社も数多くあります。
各社出勤時間を同じ時間にするものですから、通勤電車も込み合いますので、通勤するだけでも疲労感が漂い、朝から疲れてしまいます。
業務効率や社員の疲労軽減などを考慮して時差出勤を導入し、そしてフレックスタイム制に移行するなど、企業はそれなりに工夫を凝らしてきました。
中小企業では、そうした制度の導入に踏み込めない企業もあります。
プラスの面よりもマイナスの面に考えが及んでしまうのでしょう。
しかも、そのような制度を導入しようとすると、環境の整備など行うべきことがいろいろあります。
担当者任せだと、導入はまだ先になることでしょう。
中小企業で導入できないというのはある程度やむを得ませんし、ましてや在宅勤務となると更に難しいでしょう。
時間管理の意味
ところで、全員一律に出社するメリットはどこにあるのでしょうか。
朝礼や朝の会議など、その日の朝の情報伝達などが大切で、一律出勤にしているのかもしれません。
さらには、全員の元気な顔を見て、安心して働くなど、精神的な部分もあるかもしれません。
一方で、フレックスタイム制度を導入している会社は、フレックスの時間帯には会議を開けないという話も聞きます。
ただ、この場合、事前に指示をしておけばいいので、制度の問題ではないようです。
大切なことは、管理職が部下の業務をどのように管理していくか、という点にあります。
残業手当の対象となる非管理職の人たちは、時間管理の対象となります。
この時間管理は、労働基準法上やむを得ないのですが、
管理職が逐一部下に指示を出して行動を管理するという概念に労働基準法が基づくため、一斉出社は管理しやすい方法ということになります。
また、別の面から考察すると、一斉出社や一斉退社を行うのは、業務が定型作業中心となるケースで、時間で管理しやすいという面もあります。
そのような意味でも勤怠管理は重要です。
しかし、コンピューターを使用して仕事をする時代になると、仕事の仕方にも変化が生じ、従来の考え方が必ずしも正しいとは限らなくなってしまいます。
出勤管理は従来の一つの面だけでなく、あらゆる面からの考察が必要となります。
また、部署内の社員が一斉に出社することで、管理職から見ると、部下の仕事の進捗状況や体調の確認なども行えるわけです。
ただ、最近では、人間関係がぎくしゃくしがちになってきており、何かトラブルがあると、なるべく相手の人と顔を合わせたくないと思う人もでてきます。
そのような人たちは、フレックスや時差出勤、できれば在宅勤務を望むことでしょう。
しかし、業務は一人で行うものでしょうけれど、部署として成果を出すものです。
意思疎通を図り、最良の業務を行うという意味でも、同じ時間帯で一緒に仕事を行うということは、それなりの意味があるのです。
また、業務を行う上で、部署内の外の人に聞きたいことや確認したいことがあっても、聞きたい人がフレックスで遅い出社となると、
すぐに確認することができないという、不便さもあります。
労働時間の管理については、弊社ブログ『労働時間の管理と業務の生産性』をご参照ください。
出退勤に対する環境の整備
フレックスタイム制や在宅勤務など、それぞれメリットやデメリットがあり、どのような方法を採用するのかは、それぞれの企業の判断となります。
当然のことですが、導入するのであれば、会社にとってふさわしい方法を十分検討してから導入することになります。
法律の面、会社の雰囲気や風土などを加味して検討します。
しかし、そうしたことを十分に検討せずに導入してしまう企業もあり、導入が中途半端なものになってしまう恐れがあります。
一斉出社にしても、フレックスや時差出勤などにしても、管理職の人は部下の出勤管理は大切です。
行動を管理し、仕事の進捗だけでなく、取り組み姿勢、体調など様々なことを読み取ることができます。
それに応じて適切な指示を出すことができるのです。
いずれにしても、その組織に属している社員の人たちは、できるだけ自分の仕事に集中したいのです。
そうすることで、目標達成に一歩ずつ近づき、組織全体としての成果に結びつくのです。そのための環境の整備は必要です。
まとめ
出勤の方法は、一斉出社のほか、時差出勤やフレックスタイム制などがあります。
それぞれ一長一短があり、それぞれの企業で自社にふさわしいものを選ぶことになります。
ただし、そのためには、環境の整備をするなど、社員の人たちができるだけ業務に集中できるようにしていくことが大切です。