会社ではさまざまな人たちが働いており、年齢層もばらはらです。
そして、その会社の中のそれぞれの部署内でも、同様にさまざまな年齢の人たちが働いております。
もちろん、会社によっては、会社設立後あまり時間が経っておらず、社員も若い人たちが多いという会社もあるでしょう。
一方で、中小企業の中には、採用は欠員補充が中心で、現有人員で経営していくという会社もあるでしょう。
その場合、新たに社員を採用しませんので、おのずと平均年齢は年々上がっていきます。比較的年齢の高い人たちが多い会社ということになります。
次第に増加していくミドル社員
しかし、景気に応じた採用活動を行うと、景気のよいときに多く社員を採用し、景気が悪くなると採用を控えます。
一般的にはこのような採用方針の会社も多いのかもしれません。
ただ、採用を控える時期が長くなり、退職者が生じても補充もしないと、その社員を多く採用したときの社員の社員構成が会社全体の主流を占める可能性があります。
このように、社員を多く採用した後、景気が悪くなり、その後採用を控えたままにしておくと、その後採用したとしても、一定の世代がいない状態が続くことにもなりかねません。
そうして、5年10年が経ち、その時に多く採用された人たちも次第に年を取っていきます。
その人たちも、若いころと違って、体力も気力も衰えてくるのではないでしょうか。
かつて会社を支え、会社の中心で働いた人も、自然と脇に追いやられるようになります。
そして後から入社した若い人たちにそのポジションが取って代わられることになります。
もちろん、そうではない人たちも多くおります。
会社を支えた人たちも、さらにその上で経営を支えるようになる人もおります。
仕事に対する接し方や考え方、そして会社の方針等の理解など、
常に仕事にまつわることを念頭に置いて業務に接してきた人と、そうではない人とでは、年数を経た時点で差が生じてくるのです。
会社の「足を引っ張る」人たち
このように次第に会社の本道から外れてくる人が生じると、その人たちも次第に会社の足を引っ張ってしまうようになります。
もちろん、本人たちは意識しておりません。
普通通り働いておりますが、日々の行動が無意識にそのようになってしまうのです。
日々の仕事や処遇に対して不満をもったり、会社の方向性に対して批判をしてみたりなど、マイナス的な言葉を発するようになります。
そして新しく入社した若い社員に対してそのようなことをいうようになるのです。
若い社員からすれば、迷惑な話です。
せっかく会社に入社し、意気揚々としているところに、水を差されるようなことをいわれてしますのです。
次第に会社に対する前向きな気持ちもしぼんでしまうことでしょう。
こうした人たちが少人数であれば、まだよいのですが、
ある程度の人数になりますと、会社としても、見過ごすことはできなくなります。何かしらの対処が必要となります。
とはいえ、目に余るようになってからの対処では遅すぎます。
ある程度予測がつきそうな時点で、対応を事前に検討することが大切なのです。
目標管理の導入については、弊社ブログ『社員一人ひとりの意識を高め組織力を向上させる』のページをご参照ください。
会社の「足を引っ張る」人たちに対する対応について
ではどうするのでしょうか。
こうした人たちも過去に会社に多大なる貢献をしてきました。
過去に行ってきた、ひとまとまりの仕事はできるはずです。
現在若い人が行っているそのようなひとまとまりの仕事を、かつて行ってきた、その人たちに戻すことも一つの方法でしょう。
もちろん経験のある業務はしっかりと対応することでしょう。
しかし、簡単にできてしまう容易な業務では、彼らの総人件費を賄うほどではありません。
まったく違う仕事にミドル社員の人たちを就かせるという話もあります。
これには、賛否いろいろあると思いますが、一般論としては控えた方がよいでしょう。
もちろん、意欲的に新しいことに取り組む人もおりますので、全員一律に同じように対応するわけにはいかないと思います。
やはり個別に対応することになるでしょう。
それでも、比較的多くの人は、慣れている仕事を続ける方が安心して処理できます。
年を取ると新しい仕事を行うことに対して、どうしても抵抗感があるのです。
一方で別の問題も生じます。
部署によっては、こうした行動をとるミドル社員の人に対して働くための道筋をつけられるでしょう。
けれども、中には周りの社員が気を使ってしまい、かえって足を引っ張るような部署もあるかもしれません。
そのような場合、無理にその部署の中で他の社員一緒に仕事をしてもらうのではなく、それこそ別の仕事をしてもらうのです。
そのような人は、過去に何か大きな問題にぶつかり、解決策を自ら考えたり、当時の上司と一緒に考えたりして、
解決してきたような大きな仕事をしてきたかもしれません。
そのような過去の歴史をまとめてもらうこともよいでしょう。
特に、何か危機に際したときに対応した内容をまとめ、後世に残すだけでも、会社の宝となります。
そうすることで、本人もそれなりに居場所を見出し、活躍することでしょう。
また、まったく別の考え方もあります。
彼らが働いて実績を上げてきた業務は既に、後任がその業務を担い、対応しております。なかなかミドルが入り込む余地はありません。
その場合、外部にその道を見つけ、道筋を作ることです。
外部のアドバイザーが多くおりますので、相談するとよいでしょう。
彼らの知識や経験を欲する会社はまだまだ多くあります。本人たちにとっても励みとなるでしょう。
まとめ
かつて若手社員として、活躍してきた社員もいずれ、年を取り、従来通りの活躍ができなくなることもあります。
このような人たちを放っておくのではなく、新しい道筋をつけて、活躍の場を提供することです。そうすることで、本人も前向きにとらえ、組織も活性化されます。