採用活動にて面接を行うのが一般的ですが、面接のほかに筆記試験や適性検査を実施する会社もあります。
新卒の採用試験の場合、適性検査や筆記試験その他小論文なども行う会社もありますし、特殊な業界であれば、実技試験などもあるかもしれません。
職種によって異なってきます。
中小企業が中途採用を実施する場合、面接試験が中心となります。
もちろん、適性検査を行う会社もありますが、どちらかというと、参考程度の資料とするため実施するケースが多いようです。
緊急性の高い採用時の合格ライン
規模の小さい会社で、早期に社員を採用しなければならないような状況では、合格ラインを下げてしまうことがあります。
退職者の補充など緊急性が高い場合には、どうしてもそうなります。
面接の中で、経験や実績などに多少難があっても、そうしたことには目をつぶり、合格としてしまうのです。
会社が採用しようとしているポジションの業務内容と同じような業務に就いているのだから採用しようということになるわけです。
ましてやその人がすでに前の会社を退職しており、翌日からでも働けるということであればなおさら採用しようという意志が強くなります。
そして仮にその人を採用し、入社後に懸念された問題が生じることなく、成果も出しているのであれば、それはそれで結構なことです。
しかし、入社後いつまでたっても成果が出ず、日頃の行動にも疑問点が多く、
いろいろ問題が生じてくると、今度はなぜその人を採用したのか、という議論が生じます。
結局、その部署ではその人を抱えたままで業務を進めることになってしまいます。
仮にお辞めいただくよう本人に伝えても、本人は辞めようと思わないかもしれませんし、労務問題に発展してしまうかもしれません。
緊急性の高い採用の際に用いるべき方法
このように、急いで採用しようとすると、その組織にふさわしい人物を採用できるかどうかわかりません。
しかも、採用のミスマッチが生じたために、本来ないはずの別の問題が生じてしまうことにもなりかねません。
配属される部署にふさわしい人を採用することは会社にとっても大切なことです。
もちろん、入社しようとする応募者の立場に立って考えても、必要なことです。
やはり安易に合格ラインを下げてはいけないということです。
このような例は極端かもしれませんが、そうしたことに対応するためには、適性検査などほかの手段も合わせて利用すればよいのでしょうか。
適性検査の場合は、有効ですべて解決できるかというと、必ずしもそうなるわけではありません。
もちろん適性検査の結果が標準的な値を超えているなど、極端でわかりやすい場合であれば、検討の余地はあるかと思います。
しかし、検査結果は一般論で書かれており、それをもとに分析するとしても限界があります。
やはり面接中心で活動を行うべきです。
それも、1回だけの面接ではなく、2回以上実施することが必要です。
複数面接を実施することで、複数の人が応募者を見ますので、違う観点で見えてきます。
適性検査および筆記試験の選定
適性検査に関しては上記したように検査結果は一般論で記載されており、結果の値はあくまで参考値でしかありません。
様々な会社がそれぞれ適性検査を提供しております。
利用するのでしたら、それぞれの会社が提供する内容を見極め、自社にふさわしく利用しやすいかどうか判断した上で利用することが大切です。
もちろんコストとの兼ね合いも重要です。価格が高い割には、あまり使い勝手がよくないのであれば、一般的な評判がよくても避けるべきです。
適性検査の結果によって対象者の大まかな傾向を把握することはできますが、あくまで一般論としての範囲での傾向です。
また、適性検査を利用しようとする場合、一般に範囲を定めてその範囲に収まる人を適性試験の合格とするケースも多いようです。
適性検査はおもに採用時に利用されますが、中には社内で管理職登用試験の際に利用する会社もあります。
管理職登用の場合は管理者としての適性を見るために利用するとよいでしょう。
また、筆記試験については、基礎的な知識を有して業務に携わるような職種であれば利用してもよいでしょう。
技術者などは、知識に裏打ちされた実務能力が必要となり、
業務上必要とする知識を有しているかどうかを判断する場合には試験を行ってもよいと思われます。
それ以外の職種はやはり面接が中心となります。
このように、面接以外でも、いろいろな試験がありますので、必要に応じて採用活動の一環として利用し、面接の補完的位置づけとしてとらえてもよいかと思います。
採用に関して、弊社ホームページ『採用支援』のページをご参照ください。
まとめ
緊急性の高い採用では、早く採用したいという思いから、ハードルを下げてしまいがちです。
しかし、それは結果として採用のミスマッチを起こす可能性があります。
したがって、面接回数をふやすなり、適性検査や筆記試験などを導入し、様々な面から合否判定をすることが大切です。