安全衛生といえば、工場や研究所で働く人たちのことが、真っ先に頭に浮かぶと思います。
工場などの現場では、業種や職種によって、危険と隣り合わせのところもあります。
もちろん、軽作業中心で比較的危険度が低い業種などもありますので、一概には言えません。
重機を動かす仕事や、劇毒物に指定されるような、危険な薬品を使用する仕事、
そして建設現場などのように、高いところや炎天下での作業など、危険を伴う仕事は様々です。
工場などの現場と事務所における安全衛生
そうした危険を伴う仕事を行う人たちは、常に注意をしながら作業を行っています。
経験が伴うことで、特に注意をしなければならないところも、次第にわかってくるようです。
このような危険作業に対応した法律も整備されておりますし、企業側も、行政の指針や、法律にもとづいた、規則や手順を整え、安全管理に力を入れています。
管轄する官庁や、企業、そして現場で働く社員の人たちなど、それぞれが関連しながら、事故の防止に努めているのです。
そして、台風や地震など自然災害を想定した対応についても、事前に準備されていると思われます。
(自然災害に対するリスク管理については、弊社ブログ『事前に自然災害を想定しリスク管理を行う』をご参照ください。)
工場などの現場では、安全管理を徹底しておりますが、では一般の事務所ではどうでしょうか。
事務所内では、差し迫った危険はありません。
したがって、安全衛生という概念も薄く、遠い存在のように思ってしまいます。
一般の事務所での安全衛生管理では、せいぜい法律が定める要件のみを満たし、人も経費もできるだけかけないようにしています。
安全衛生に絡んだ事故や被害などが、いままではあまりないため、そのようにしているのです。
もちろん、棚に積んであった箱が落ちてケガをする、というケースもあるかもしれません。ただそうしたことは、まれです。
事務所内における安全衛生という点で考えられることは、過重業務による不規則な生活による精神的な疲れや、内臓の疾患です。
よく言われていることですが、ストレスがあらゆる病気を誘発します。
そのような面でも健康診断は大切です。
ストレスや不規則な生活による内臓疾患が増えており、放っておくと、生命の危険にさらされてしまいます。
工場だけでなく、事務の仕事でも、このように間接的な危険もあるわけです。
健康診断の実施による健康管理
全ての会社で、健康診断を実施していると思います。
ある一定年齢以上に達すると、再検査になるケースが多くなります。
不摂生や食生活も影響していますが、年齢に応じた生活ができていない、ということが言えるのかもしれません。
もちろん、日々忙しく、そのようなことができない、ということもあるでしょう。
一方で、健康診断の結果、結果が再検査になっても、応じない人もそれなりにいます。
忙しいというのがその理由です。
社員が健康でなければいずれ病気にかかり、業務に支障をきたしてしまいます。
会社としてもリスクが生じますので、それを避けるためにいろいろ手を打っていますが、有効な決め手はありません。
どうすればよいのでしょうか。
定期的な研修でしょうか。忙しいと言っている人にそのようなことを準備しても参加しません。
これは、社員一人ひとりの問題なのです。
自分の体に注意を払うことも、本当は仕事の一部なのです。健康な状態で労務を会社に提供することが前提なのです。
そこのところをはき違えているが多くいるのです。少しずつでも社員に理解していただきたいところです。
(安全衛生管理の積極的な取り入れについては、弊社ブログ『安全衛生管理を積極的に取り入れ社員の管理を図る』をご参照ください。)
業務量の増加における健康被害
ところで、忙しく働いている人の中には、机の上を散らかして仕事をする人もおります。
彼らは、その方が仕事をしているような雰囲気となり、仕事がはかどっていると思っているのです。
もちろん、中には、自分の机の上を整頓し、きれいにして仕事に取り掛かる人もおります。
どちらかというと、机の上をきれいに整頓して仕事をする人のほうが、効率よく仕事ができるようです。
書類を整えるので、仕事がしやすくなります。
ところが、机を乱雑にしている人は、必要な書類を探すだけでも時間がかかってしまいます。
特に、期日が迫っているときほど、焦ってしまい、書類を探すなど、つまらないことに時間を費やし、仕事が更に溜まってしまいます。
そして、悪循環に陥ってしまうのです。
仕事が増えて、残業が多くなり、精神的に疲れてしまう人は、そのようなところにも原因があるのかもしれません。
もちろん、様々な要因が絡み合って生じるので、簡単に説明はできないと思います。
それでも一つの理由にはなり得るかもしれません。
じつは、こうした状況になる時点で、すでに精神的疲れから病に陥っているのかもしれません。
一方で、残業過多になると、生活も不規則となり、定期的な食生活を送れなくなります。
そうしたことが更に進むと、内臓に何かしらの病に至る前兆とでもいうものが生じてくるかもしれません。
健康診断の結果からも読み取れます。本人のみならず、会社としても注意観察をする必要があります。
社員が、うつ病などの精神疾患や、内臓疾患などで長期に療養することになると、会社としても大きな損失となります。
そうなる前にリスクを回避する必要があるのです。
このように考えると、工場などの現場以外の、事務所で働く人たちの安全衛生の対応についても、見えてくるでしょう。
(社員の健康管理については、弊社ブログ『社員の健康管理に取り組み会社リスクの軽減を図る』をご参照ください。)
まとめ
安全衛生は、工場などの現場が主体となります。
しかし、事務所勤務の人たちにも、当てはまらないわけではありません。
業務量過多によるうつ病などの精神疾患や、不規則な生活に伴う内臓の疾患など、いくつか考えられます。
会社は健康診断による社員の健康管理を行い、病気による長期療養を未然に防ぎ、リスクを回避します。