
安全衛生といえば、工場や研究所で働く人たちのことが、真っ先に頭に浮かぶと思います。
工場などの現場では、業種や職種によって、危険と隣り合わせのところもあります。
もちろん、軽作業中心で比較的危険度が低い業種などもありますので、一概には言えません。
重機を動かす仕事や、劇毒物に指定されるような、危険な薬品を使用する仕事、
そして建設現場などのように、高いところや炎天下での作業など、危険を伴う仕事は様々です。
そうした危険を伴う仕事を行う人たちは、常に注意をしながら作業を行っています。
経験が伴うことで、特に注意をしなければならないところも、次第にわかってくるようです。
一方で、そうした危険作業に応じた法律も、整備されておりますし、企業側も、行政の指針や、法律にも基づいた、規則や手順を整え、安全管理に力をいれています。
管轄する官庁や、企業、そして現場で働く社員の人たちなど、それぞれが関連しながら、事故の防止に努めているのです。
工場などの現場では、安全管理を徹底しておりますが、では一般の事務所ではどうでしょうか。
事務所内では、差し迫った危険はありません。
したがって、安全衛生という概念も薄く、遠い存在のように思ってしまいます。
一般の事務所での安全衛生管理では、せいぜい法律が定める要件のみを満たし、人も経費もできるだけかけないようにしています。
安全衛生に絡んだ事故や被害などが、いままではあまりないため、そのようにしているのです。
もちろん、棚に積んであった箱が落ちてケガをする、というケースもあるかもしれません。ただそうしたことは、まれです。
考えられることは、過重業務による不規則な生活による精神的な疲れや、内臓の疾患です。よく言われていることですが、ストレスがあらゆる病気を誘発します。
そのような面でも健康診断は大切です。
ストレスや不規則な生活による内臓疾患が増えており、放っておくと、生命の危険にさらされてしまいます。工場だけでなく、事務の仕事でも、このように間接的な危険もあるわけです。
全ての会社で、健康診断を実施していると思います。
ある一定年齢以上に達すると、再検査になるケースが多くなります。
不摂生や食生活も影響していますが、年齢に応じた生活ができていない、ということが言えるのかもしれません。
もちろん、日々忙しく、そのようなことができない、ということもあるでしょう。
一方で、健康診断の結果、結果が再検査になっても、応じない人もそれなりにいます。
忙しいというのがその理由です。
社員が健康でなければいずれ病気にかかり、業務に支障をきたしてしまいます。
会社としてもリスクが生じますので、それを避けるためにいろいろ手を打っていますが、有効な決め手はありません。
どうすればよいのでしょうか。
定期的な研修でしょうか。忙しいと言っている人にそのようなことを準備しても参加しません。
実は一人ひとりの問題なのです。
自分の体に注意を払うことも、本当は仕事の一部なのです。
健康な状態で労務を会社に提供することが前提なのです。
そこのところをはき違えているが多くいるのです。
少しずつでも社員に理解していただきたいところです。
ところで、忙しく働いている人の中には、机の上を散らかして仕事をする人もおります。
彼らは、その方が仕事をしているような雰囲気となり、仕事がはかどっていると思っているのです。
もちろん、中には、自分の机の上を整頓し、きれいにして仕事に取り掛かる人もおります。
どちらかというと、机の上をきれいに整頓して仕事をする人のほうが、効率よく仕事ができるようです。書類を整えるので、仕事がしやすくなります。
ところが、机を乱雑にしている人は、必要な書類を探すだけでも時間がかかってしまいます。
特に、期日が迫っているときほど、焦ってしまい、書類を探すなど、つまらないことに時間を費やし、仕事が更に溜まってしまい、悪循環に陥ってしまうのです。
仕事が増えて、残業が多くなり精神的に疲れてしまう人はそのようなところにも原因があるのかもしれません。
もちろん、様々な要因が絡み合って生じるので、簡単に説明はできないと思います。それでも一つの理由にはなり得るかもしれません。
このように考えると、工場などの現場以外の事務所で働く人たちの安全衛生の対応についても、見えてくるでしょう。