新しく設立された会社や、ある程度の年数は経たが、規模がまだ小さい会社では、どちらかというと業務が固定化されていないケースが多く見受けられるようです。
忙しいときは暇な人が手伝うというように、臨機応変に活動しているように思われます。
ある意味、アメーバ的な組織とでもいえるのかもしれません。
業務の定型化・マニュアル化
社長自身があまり組織にこだわらず、お客様からの依頼の業務の量に応じて、社員に指図するため、このようにあいまいな形にしているのではないかと思います。
ただ、このようにすると仕事に対する責任があいまいになり、仕事に穴が開く可能性があります。
一方で社員が受け身になってしまうという恐れもあります。
会社設立後間もない会社であれば、やむをえません。
しかし、会社設立後何年か経過し、ある程度実績を上げている企業で、更なる成長を目指すのであれば、そろそろ組織で行動できるようにしていく必要があります。
組織で行動すると一口にいっても、どのようにして進めたらよいかわからないという人も大勢いると思います。
とくに業務を組織化するという考え方についてはなおさらです。
まず業務を定型化し、マニュアル化します。
そうすることで、仕事の管理がしやすくなります。
そして、人を採用しても、すぐ業務に慣れてもらうことができます。
また社員の異動も比較的やりやすくなります。
とはいえ、小さい会社では、なかなかマニュアル化することはできません。
また、部署の仕事の全体を理解した上で、業務を行っている人もあまりおりません。
社員の人たちは、目の前の業務を従来のやり方でこなしているだけです。
ですから、社員の力量によって、こなせる業務量や仕事の仕方について、差が生じてくるのです。
そして仕事をこなせる社員に仕事が回ってきます。「この人がいないと業務が回らない」と発言する管理職が出てくるのです。
しかし、会社としては、各部署で均等に仕事をしてもらいたいところです。
そのようなためにもマニュアル化は大切です。
部署ごとの業務の整理
また、その他、各部署で業務を一度整理してみてもよいかもしれません。
業務の棚卸ですね。
人によっては、かつては必要であった業務で、現在では必要とおもわれない業務を今も大事にしているかもしれません。
また同じ部署でも同じようなことをしている人たちがいるかもしれません。
それらを発見するだけでも、だいぶ合理化になります。
そして、それぞれの部署で行う業務を整理することで、だいぶ組織化ができてくるかもしれません。
こうしたことは、大掛かりな作業になるかもしれませんが、いずれはこのような作業を行うことが必要です。
そうすることで、会社が組織で動けるようになり、今後の会社目標の達成に前進することができるようになるのです。
もちろん、そのためには、現場の管理職の人たちが率先して行わなければなりません。
管理職の人たちが配下の人たちに的確な指示を出して実施します。そのためには彼らに対する教育も必要です。
管理職の教育については、弊社ブログ『組織が機能するための管理職の教育』をご参照ください。
このように、中小企業の場合、持続的に経営していくためには、様々なことを実施しなければなりません。その中のひとつに、業務の組織化があるのです。
まとめ
中小企業の場合、業務自体がまだ固定化されていないケースがあります。
業務をマニュアル化し、定型化すると共に、各部署で業務の棚卸をします。そうすることで、業務が整い、組織化していきます。これには、管理職の協力が必要です。