残業を含めた総労働時間の削減により活用できる時間を確保する

社員が自分の労働時間を管理し、計画的に時間を使うことは、社員にとっても大切ですが、会社にとっても必要なことです。

しかし、この問題は、昔から言われ続けてきたことであり、なかなか解決できない問題です。

 

会社で働いている社員の人たちは、日々忙しく働いております。

定期的な月例業務や、年に何度もない不定期に生じる仕事、そして上司から「突然」依頼される締め切りの迫った仕事など、さまざまな業務があります。

 

社員からすると、毎日忙しく働いているので、増員してほしいと願うところです。

 

労働時間が増えることによる弊害

ところが、現実は増員どころか、退職者が生じてもなかなか補充してもらえず、かえって仕事量が増えてしまう、ということもあるかもしれません。

もちろん、会社としても、社員を採用するため、それなりに対応しております。

しかし、なかなか望ましい人を採用できません。

 

それぞれの部署で働いている人たちは、このように多忙な状況にあります。もちろん、全員が一律に忙しいわけではありません。

会社内でも、部署によって、忙しいところがあったり、そうでないところがあったりなど、状況はさまざまでしょう。

 

本来であれば、社員の人たちが定時で業務を終了し、残業せず帰宅することが望まれます。

会社としても、適宜年次有給休暇を取得したり、自ら自己啓発に励んだりなど、

社員自ら時間を管理できるような環境を作り、組織力を高めていきたいところです。

 

しかし、社員の人たちが、このように忙しい状況下で、会社は対応しようとしておりますが、冒頭述べましたように、なかなか解決策が見いだせないのです。

 

社員の人たちが、忙しくなればなるほど、目の前のことしか考えられなくなってしまいます。

社員が残業して業務を処理するため、自己啓発の時間もなく、また会社が社員に対して教育を施す機会も見いだせなくなります。

会社としても結果として目に見えないところで損失が生じることになるわけです。

 

労働時間削減の方法

では、どのようにして労働時間を削減し、社員に余裕をもたせることができるようになるのでしょうか。

DX(デジタルトランスフォーメーション)を導入すれば解決できるのでしょうか。

機械化は、ある程度業務内容が固定されている場合には、機能するでしょう。

しかし、忙しさの原因が別の所にある場合には、そのようにいきません。

 

業務量削減の近道は、古くから一般的に言われることですが、社員の人たちが自分たちの行っている業務を見直すことです。

また、管理者が自分の部下の仕事を把握していない、という点もその原因の一つとして挙げられます。

(労働時間の管理に関して、弊社ブログ『労働時間の管理と業務の生産性』をご参照ください。)

 

業務の見直しは、日頃から問題意識をもっていないとなかなかできることではありません。

また、社員の業務の否定や仕事の仕方の否定につながり易く、かえって反発を招くこともありえます。

また、会社からの号令となると、余分な仕事が増えると思われてしまうこともあります。

そうならないためにも、日頃の意識の改革が求められるところです。

 

日頃の意識といえば、かつてこのような話がありました。

上司が指示を出し、部下はそのために時間を削ってその上司を指示通りの業務をこなし、出来上がったところで上司に報告をしました。

そうしたところ上司はそれを忘れており、その業務は不要になったということです。よくあるような、そして自分にも当てはまりそうな話です。

こうした話は意外に世間にありそうな気がします。

 

社員の人たちは、毎日会社で仕事をしますが、1日が終了した時点で、業務の振り返りを行うことも大切です。

もちろん、実施している人もいるでしょう。

また、営業部員のように毎日取引先を訪問し、契約を獲得するために日々自分の営業活動を振り返り、次の顧客との商談に活かそうと前向きな人もいることでしょう。

しかし、組織内にはそのような人ばかりではありません。

与えられた仕事を何も考えず、ただ目の前のことを処理するだけの人もおります。(受動的な社員に関して、弊社ブログ『受動的な社員が自主的に行動し組織力が向上する』をご参照ください。)

 

このように、組織にはいろいろな意味で、様々な人がおります。

それでも、日々の仕事を振り返る作業を繰り返すような小さなことで、積み重なれば大きなものになります。

そして、業務全体が把握できるようになり、業務の選別ができるようになります。

それが、業務量の削減につながるのです。

 

さて、このように、業務量を削減できたとしても、人によって、新しい仕事を探してきて、忙しくする人がおります。これだと、永遠に業務改善が進みません。

 

一般的に人は変化を好みません。忙しさになれると、仕事を拾ってきて、自分を忙しくさせるからです。

こうしたことを避けるには、その人自身の考え方を会社の方針に合わせてもらう必要があります。

 

なぜ、業務量を抑え、社員に時間的な余裕を与える必要があるのか、そして、組織にどのような影響があるのか、など、社員との対話は尽きません。

組織の長である、管理者を通じて実施します。ある程度時間を要するのは仕方ありません。

会社から管理者に事前に詳しく説明をし、かれらが納得性を得た上で、組織の社員の人たちへ説明してもらいます。

(適切な出勤管理については、弊社ブログ『適切な出勤管理で安定した組織運営を』をご参照ください。)

 

労働時間削減の目的

このように、時間はかかりますが、先を見据えて、社員の人たちの労働時間を減らしていきます。

 

会社として成長を続けるための、次のステップへ進む必要があるのです。

社員一人ひとりが、自分の立ち位置を理解し、自覚して日々の業務を行います。

納得し理解した上で業務を行うため、更に会社が進む方向に加速度がついて進むことができます。

 

社員からこのような理解を得るためにも、研修や教育といった社員への施策が必要です。

組織力を高め、会社の目標を達成するために、社員の総労働時間を削減するのです。

社員が疲れきっていては、育成しても身に付きません。体力があって初めて教育したことが、身につき、実践できるのです。

 

そして、社員自らが自分の時間を作ることができて、その時間を自己投資や休息の時間など、ライフワークバランスを考慮した対応が取れるようにしていくことがこれからの課題となります。

(ライブワークバランスについては、弊社ブログ『環境を整え社員のライフワークバランスを進める』をご参照ください。)

 

まとめ

社員の労働時間を削減するのは、容易ではありません。古くからの課題でもあります。その方法は企業により異なると思いますが、会社が中心となって進めることで、労働時間を削減します。その先にある会社の目標を達成するためです。

 

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