実態にそぐわなくなった評価制度を改定し組織力を高める

企業は、その時の時代背景や、社員の構成などを加味して、さまざまな仕組みを作り、組織に浸透させてきました。

そして、そうした仕組みが時代にそぐわなくなってきたら、時代に合わせて改定します。

常に時代の変化に目を向けながら、組織が成長していくように仕向けていくのです。

 

特に、人事に関連する仕組み、あるいは制度といったようなものは、それなりに理由があり、作られ運用されてきました。

 

人事評価制度が機能できていない

なぜそうするのかというと、最終的には会社の売上・利益を計画通りに達成するために必要なことなのです。

もちろん、社員の成長のためでもありますが、社員が成長することにより、結果として会社目標の達成につながるのです。

 

ところで、企業が行う人事に関する制度はいろいろありますが、その中のひとつに評価制度があります。この評価制度を導入している企業も多くあると思います。

 

そして、その多くは人事考課をベースとした評価制度でしょう。

企業規模の大小にかかわらず、国内で長きにわたって使用されてきました。また、それなりに機能してきました。

 

もちろん、せっかく評価制度を導入したのに、うまく運用ができていないという会社もあるでしょう。

そうした会社は、改善することを考える余裕もなく、今すぐ何とかしようとすることもできず、仕方ないので、形式のみで実施しているかもしれません。

ほかにいい方法があったら、そちらに乗り換えようと考えていることでしょう。

 

このように評価制度を含めた人事制度を運用できていない、という話はよく聞きます。なにが良くなかったのでしょうか。

制度が古いのでしょうか。それとも、会社の実情に制度が合っていないのでしょうか。

あるいは、管理者が評価のことをあまり考えず、目先の仕事にしか力を注いでいないため、評価ができていないのでしょうか。

 

状況にもよりますが、これらはすべて正解といえるでしょう。

評価制度を含めた人事制度がうまくいかないという話は昔からよく聞かれます。

うまくいかない理由はひとつではありません、複数の理由が絡み合い、運用できなくなってしまっているのです。

また、経営者がすべてを把握し、決定するような会社では、評価が経営者の意向に沿った形で進められることがあります。

そうした場合、社員の不満の温床になりがちで、形だけの評価と思われてしまいます。

ある程度の規模になった時点で、組織による経営活動へと変化が求められます。その過程で評価そのものも見直すことも大切です。

(組織化した企業経営については、弊社ブログ『ワンマン経営から組織化した企業経営へ』をご参照ください。)

 

いずれにしても、うまく運用できていない評価制度は、早く改定しなければなりません。既存社員、特に若手社員からは、正しく評価されないと、不平不満が出てきます。

 

放っておくと、いずれ悪化し、更に雰囲気が悪くなって、社員が能力を発揮するどころか、前向きに働こうとしなくなってしまいます。

最悪の場合、退職してしまいます。

 

とはいえ、すぐに会社に影響が出るわけではないので、経営者としても、制度改定の優先順位を低く見積もってしまいます。

ただし、放置している間に、確実に社内の雰囲気が悪化していきます。

最悪の状態になってから修復しようとしても、時間と費用が予想以上に掛かってしまいます。

 

評価制度の改定

そうならないようにするためにも、評価制度を改定する必要です。ただし、評価制度を改定するには、それなりの進め方があります。

 

まず、社内の実態をつかみます。

実態といっても、実際に社員が行っている業務について、分析していくのです。

問題となっているのは、仕事そのものを評価されていないと感じている社員が多く、実態にそぐわなくなっているため、現場ではギャップを感じているということなのです。

 

それぞれの部署のそれぞれの職種の仕事を標準の進め方で、期待した成果がでるようになるために、必要とされる能力を定義し、評価項目を特定していきます。

これには、各部署の管理者に協力してもらう方が良いでしょう。

現場の仕事を理解しているのは、現場の管理者ですので、管理者と一緒に進めることで、実際の評価でも本来の評価のレベルに近づけることができます。

 

そして、評価項目を設定するタイミングに合わせて、評価基準も設定します。

この場合であれば、5段階評価で3であるなどのように基準を設定します。

このように現場の業務をベースに評価項目や評価基準を設定することで、公平性を担保します。(なお、評価制度の運用については、弊社ブログ評価制度を適切に運用し部下の育成を図る』をご参照ください。)

 

評価制度に対する管理者の理解

次に、評価者に対する教育を実施します。評価制度を正しく運用するためには、評価者に対する理解が必要となります。

 

この管理者への教育は大変重要です。制度そのものの理解も大切ですが、どのように部下を育成し、評価していくのかについて、自分なりの方針がつかめるようにしていくことが大切だからです。

こうしたことは、最終的には実践の中で身に着けていかなければなりませんが、そのためには、必要事項を教えてもらう必要があります。

 

そして、管理職自身が、自分たちで運用していく、という能動的な気持ちになることにより、運用がうまくいくのです。

 

とはいえ、管理者に研修を施しただけでは、すべてがうまくいくとは限りません。

そのためには、管理者がうまく運用できるよう会社側で環境を整えておく必要があります。

 

日々忙しく働いている管理職に、更に仕事を増やしたのでは、かえって新しい仕事に後ろ向きになります。そのためにも、かれらの仕事を減らす工夫が必要です。

また、現在の待遇では、前向きになりません。多少なりとも前向きになれるような待遇改善も必要でしょう。

仕組み作りは、一つの面だけ見て判断しても、手落ちになります。全体をとらえ、更に先を見据えた上で進める必要があるのです。

(管理職の教育について、弊社ブログ『組織が機能するための管理職の教育』をご参照ください。)

 

まとめ

このように、評価制度が古くなり、機能しないと感じた場合、できるだけ早く対応するが大切です。

そうすることで、社員それぞれの能力を高め、結果として組織力が向上していくのです。

 

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