一般的に規模の小さい会社では、中途採用が中心です。
そして、採用活動を行い、社員を採用し、入社が決まった場合、入社後ただちに配属部署に引き渡して採用担当の活動が終了となることが多いようです。
あとは配属先にて業務に慣れ、徐々に戦力化していくということになるのでしょう。
入社後に配属された部署に溶け込み、自身の経験や能力を活かし、実績を上げ、部署の一員として活躍できればいいのですが、そうはならないケースもあるようです。
せっかく採用したのに、しばらくして退職した、などという話は意外によく聞くものです。
中途採用者の退職
せっかく採用したのに、なぜこのようにすぐ退職してしまうのでしょうか。
転職雑誌や転職関連のウェブ媒体などでは、総括すると次のように分析しているようです。
- 採用された人の能力や経験が、配属された部署の仕事が合致していないため、成果が出なかった。
- 採用された人が思い描いていた会社、あるいは部署のイメージと、実際とが異なっており悩んでしまった。
- 与えられた仕事量に比して、給与が思ったほど高くないので再度退職を考えている。
俗に言う自分に合わないということです。
もちろんそうしたことも、いくつかある退職の理由の一つに該当するでしょう。
実際に退職した人が退職理由として、そうしたことを述べるケースもそれなりにあります。
それ以外にも、家族を介護しなければならなくなったなど、家庭の事情で辞めざるをえないといった業務外の理由で退職するケースもあります。
退職者が述べる退職理由は様々です。
退職者があまり公表したくない理由として、いくつか挙げられます。
- 配属された部署で部員の人々が忙しすぎて、新しく入社した自分自身に対して仕事を教える時間がなく、そのまま放っておかれ、孤独感を感じて退職を考えた。
- 配属部署の上司や先輩のパワハラがひどくて耐えられなくて退職した。
このように、その部署に問題があるケースも結構見受けられます。
せっかく時間と費用をかけていい人材を採用したのに、短い期間で退職してしまうのは実にもったいないことですし、会社にとっても大きな損失です。
なにより、退職者の所属した部署で失望感が漂い、部員の士気にも影響を与えます。
入社時の受け入れ準備
規模の大きな企業であれば、社員が入社したときの対応については、あらかじめやり方を決めており、担当する人員もそろっていて受け入れ体制ができております。
従って入社してしばらくしたら退職するということは少ないでしょう。
しかし、会社によって異なりますが、規模の小さな会社では、こうした話は多く見受けられます。
このように考えると、規模が小さいとはいえ、入社する社員の受け入れ準備は必要です。
社員が入社し、入社後に配属される部署でどのように入社後の研修を行うのか事前に計画しておく必要があります。
その社員の知識や経験、実績等によっても異なりますので、一律とは言えませんが、大まかでもOJTを含めたプログラムを事前に用意する必要はあるでしょう。
新たに入社した社員に対して、配属先の人たちはある程度の期待感を持っております。
それで、1日も早く戦力になってもらいたいと思うあまり、すぐに現場で仕事に就か、様々な仕事を与えてしまうのでしょう。
入社した社員への対応
中途で入社した社員は、早く実績を出し、認めてもらいたいという気持ちから焦ってしまうこともあります。
しかし、それが空回りとなり、よけいに実績を出すことができず、周りの目も気になり、更に焦りが生じて、辞める方向で考えてしまうこともあります。
人にもよりますが、一般的に中途で入社する社員は、実績を積まないとなかなか部署内で一人前としてみてもらえないと思ってしまうものです。
そうしたことを避けるために、新たに入社する社員が配属される部署では、研修計画を作成します。
そして、それに基づいて実行し、研修期間終了後にどの程度のレベルに達したのか、評価しをすることで、研修期間を調整していきます。
そうして戦力になり、実績を挙げていきます。
採用担当者も入社した社員に時折一声かけ、どういう状況なのか確認することも大切です。
状況確認として話を聞き、うまくいっているのか、あるいは、何か問題があるのか、そして本人も悩んでいるのか確認します。
問題点があれば原因を探り、配属先の所属長と相談し、ケアしていくことでその人をサポートします。
社員1人の採用については、採用の準備から入社後まで、長期にわたります。長い目で見続けることが大切です。
社員の退職への対応については、『退職防止』のページをご参照ください。
まとめ
中小企業の場合、中途入社の社員に対して、入社後は配属部署にまかせてしまうことが多くあるようです。
入社後のプログラムを作り、少しでも中途入社の社員の気持ちを安心させることが大切です。