
人材づくりはどこの会社でも喫緊の、そして永遠の課題でもあります。大企業でも大変ですから、中小企業ではなおさらです。
とはいえ、会社が成長していくためにも、人材づくりきわめて大切です。ある意味、奥が深い分野であるということがいえるでしょう。
人材づくりと一口で言っても、その理解や方法については様々です。
会社の方針を理解し、適切な行動をとり、期待された成果を出せる人を育成すること。
また、プレッシャーに強く、多少の障壁があってもそれを乗り越え、目標を達成するという精神的に強い人を育成すること。
そして、多方面の知識を有し様々な問題に対処できる能力を有する人を育成すること。
など少し思いつくだけでもいくつも掲げられます。
このように人材づくりは、その目的に応じてやり方も異なります。
更に、将来の幹部候補生やサクセッションプランなど、会社の存続や成長という長期的観点をベースにした考えもありますし、現在の業務をしっかりとこなせるように基礎的なことを教育するという短期的な視点による育成もあります。
一方で育成には、短期的な教育方針だけでなく、中長期の育成計画もあります。
そして個人ごとに計画を立てるのですから、大変な業務です。
経営者、特に中小企業の場合は、売上や利益を上げるために、様々な方策を施し、日々苦心しながら会社を維持し成長させるために努力しております。
そして、会社の目標を達成するためには、社員の能力を引き上げる必要があると考えます。
大企業の場合は、スタッフもそろっており、自社で対応できます。しかし、中小企業では少ない社員で、幅広く対応しなければなりません。
そのため、自前で研修を行うことは大変です。そこで研修会社に研修を依頼することになります。
でも、研修を受講する社員は、その目的もあまり理解しないまま研修を受けます。したがって、思ったほど効果は上がりません。
時間とコストをかけ、研修を施しても、成果が出ないのであきらめてしまいます。
そうこうするうちに本業も問題にぶつかり成長しなくなります。さらにほかのことにコストや労力を割くことなく、時間だけが経ってしまうのです。
一方で、長期の人材育成を怠っていると、幹部社員が定年退職してしまい、後任が育たず、後継者不在のまま業務を進めます。うまく進むはずはありません。
会社は中長期の計画を立てますが、その中心は売上目標であり利益目標です。その目標を達成するために、様々な計画が立案されます。
そしてその立案された目標を達成しようと、各組織が自分たちの目標を達成させるために、その機能を最大限に発揮すべく、体制を整え、努力していくのです。
そしてその計画を達成するために、人材づくりが大切であるという認識にいたるのです。その計画の中に人材育成も含めて総合的な計画にしていきます。
もちろんそこまでのことをしていない会社もありますし、会社によっては社員の教育は必要であると理解はしていても、そこまで手が回らないということもあるでしょう。
しかし、将来の幹部社員を選出し、様々な経験を積ませるといった長期的に計画を立て実践することも、会社を永続させるためにも大切なのです。
一方で個別の社員で能力が社内の標準に達していない社員については、達成するよう育成していくという短期的な育成をすることで短期や中期の目標を達成させるのです。
このように育成は個別に実施していく部分と、経営計画の中に含め、目標達成の一環として育成を行う部分とがあるのです。
特に将来会社を引っ張っていく幹部を育成するためには、長期的な計画が必要です。会社の長期計画の中に含め、実践していくようにします。
一定の基準を作って対象者を選出し、その人たちにどのようにして必要なことを経験させ、育成していくかといった数年にわたる個別計画を立てます。
そしてそれらを経営計画に含め、平行して実施していくのです。候補者の異動などを実施すると、その部署のレベルが一時的に低下してしまいます。
それをどのようにカバーするか事前に計画の中に入れ込んで想定しておきます。
また、短期の教育は所属長による実践的な教育になるでしょう。つまり、一つの業務に関し、計画を立て、一定のレベルに達するよう計画を立て実施することになります。
いずれにしても、計画を立て実践していくなかで、結果を必ずチェックします。うまくいかないようであれば適宜軌道修正し、目標を達成できるよう進めていくのです。
このように人材づくりをどのように会社の計画の中に組み入れるかで、会社の長期的な目標を達成できるかどうかのカギになるのです。