企業を取り巻く経営上のリスクは、年々増加し、しかも複雑になっております。
会社としても、毎期増収増益を継続するためにも、リスクを回避することは、避けて通れません。
では経営上のリスクとは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
たとえば、最近は個人情報に関して、かなりシビアになっており、個人情報の流出がニュースとなり、世間をにぎわすこともあります。
代表的な企業リスク
このように個人情報を含む情報漏洩などは、企業にとって大きなリスクとなるでしょう。
また、会社の社員による会社の資金の使い込みや、売上金の架空計上なども大きなリスクとしてあり得ることです。
そして、リスクに含めてよいと思われるのが優秀な社員の退職です。
これは、その後の会社に対する影響も大きく、情報漏洩などと同じようなレベルのリスクといえるかもしれません。
(社員の退職防止については、『退職防止』ページご参照ください。)
外に目を向けてみましょう。そうすると、台風や地震などの自然災害があります。
また、SNS等でのいわれのない誹謗中傷が拡散し、広く一般に知れ渡ってしまうということなどもあるでしょう。
このように少し考えただけでも、たくさん出てきます。
探すときりがないほど経営に関するリスクがあるのです。
とは言っても一つひとつ対応していては、本末転倒になってしまい、本業が疎かになります。
企業リスクへの対応
経営に対するリスクを取り扱うのは総務担当になるでしょうから、当該部門と優先順位をつけて、リスクへの対応を検討します。
ここでは細かいことは述べられませんが、いくつか手法を検証してみましょう。
会社内部に関することであれば、どのようなリスクがあり、どのように対応すればよいか比較的想定しやすく実務的にも進めやすいと思います。
では代表的なリスクを想定し、それに伴う対応策を考えてみましょう。
まず、想定される大きなリスクを挙げてきましょう。
上記したとおりですが、個人情報を含む情報漏洩、それから売上の架空計上や会社の社員の金銭等の横領などの財務関連、そしてハラスメント関連といったところでしょうか。
ほかにも業界によっては、監督官庁への届け出の書類の偽装などもあるかもしれません。
その他こまかいリスクもあると思いますが、ここでは割愛します。
情報漏洩については、その影響が大きく、特に顧客情報が流れた場合、マスコミで報道されてしまうリスクもあります。
その結果顧客が企業から離れていったという事例もありました。
そして、その会社の場合、結果として数億円の損害と報道されました。
また、社員の横領等についても頻度は低いですが、事例がマスコミで報道されることがありますが、中小企業でそのようなことが生じたら大変です。会社の存続に影響します。
そして、ハラスメント。セクハラやパワハラはすでに様々な企業で研修等を導入し、予防対策を図っているようです。
だいぶ落ち着いているようですが、それでもまだ生じることもあるようです。
これらに共通しているのは、このような不祥事が外部に漏れると、社会から信用が一気に失墜してしまうということです。当然経営にも影響します。
企業のリスク等に対する予防策
ではどうすれば防げるのでしょうか。
もちろん社員に対する研修は必要です。
しかし研修だけでは不十分であり、その他の仕組みづくりも必要となってきます。
まず情報漏洩に関しては作業手順の見直しや関連書類の管理、上司を含めた複数のチェックが入るなど、担当以外にも確認するような事務手続きを改定することです。
財務面のリスクなども、同様に手続きを改定し、複数のチェックを入れることでだいぶ抑止になります。
このように会社の内部に係わることであれば、社内の手続きを変えるだけでもだいぶ違います。
予防という観点からも総務担当と一緒に社内の手続きを見直すことで、リスク回避をすることができます。
予防は大事ですが、それだけでは不十分です。
一方で万が一上記のリスクが発生した場合の対応を事前に用意しておくことも大切です。
情報漏洩であれば、対策を実施する担当者を決め、どのように進めるのか状況に応じた方法を検討し、事例が生じたらスムーズに対応できるようにしておくことです。
まったく新しい手続きですが、完成したら、時間を取って事例が生じたとしてテストをしてみることです。
不備な点があれば改定し、都度最新のものにすることで、安心して本業に専念できます。
一見すると無駄であるように思われますが、何もしないで、非常事態が生じてしまうと巨額の費用が発生してしまうのです。それだけは避けたいところです。
まとめ
企業リスクは様々なものがあり、事前の予防が不可欠です。
実際に被害が生じた場合、その費用はかなり高額になることもあります。
そうならないためにも、事前に様々なケースを想定し、リスクへの防止策を図ることです。
一方で万が一リスクが現実のもになったときに、速やかに対応できるよう仕組みを作ることが大切です。